ホームページやウェブ系のデザインを担当するウェブデザイナーは、将来性のある仕事として人気の職種となりつつあります。しかし、口コミなどではよくブラックの代名詞として揶揄されることもあり、こうした部分はアルバイトの場合ではどうなのか!?はたまた新卒カードを使って入る価値はある!?
今回はそんな完全未経験だけど、ウェブデザイナー業界へ興味がある方へ向けた各種解説となります。先に行っておくと、実力さえ身につけば様々なスキルが身につけられる、学歴の一切関係ない仕事なのです。そんなデザイナーの魅力やつらいことを今回はデザイナー兼プログラマーのユウマが話そうと思います。
目次
ウェブデザイナーという職種は明確に定義をすることは難しいのですが、強いて言えば「ウェブサイトに関するデザインや構成・レイアウトを担当する仕事」です。
ホームページやWebサービスのデザインや訪問ユーザーが利用しやすい構成をクライアントに提供し完成品を納品するのが主な役割ですが、実際は会社によってデザイナーの受け持つ仕事は様々ですね。
アルバイトの中でも専門知識を必要とする業界のため、難易度は高いですがweb業界は需要が加速していて将来性のあるお仕事の一つです。
アルバイトの他にも少数ですが派遣スタッフとして業務を行うこともできます。専門知識とツールを駆使して、クライアントの要望に沿ったデザインを完成させることがメイン業務であり技術を必要とする分、時給は他の業界と比べても高めの傾向にあります。
一通りの作業をこなすには多くの専門知識を必要とするので、未経験アルバイトや新入社員の場合は最初に長期間の研修を受けることが一般的と言えるでしょう。
まず始めに、未経験歓迎求人の中には、「やる気さえあれば誰でも入れます!」といった謳い文句が使われていることが多いけど本当にできるの?という意見をよく頂くことがあります。答えはイエスです。
たしかにウェブデザイナーのお仕事は専門的な知識を必要とするので難しい印象を受けますが正確に言うと学習する範囲は広いけど、少しの知識でできる業務もたくさんあるということ。
最初の内は、そうした簡単な業務をこなしていき徐々にデザインを作りだす作業やコーディングの作業に関わることになります。
研修も受けながら段階的にステップアップできる仕事でもあるので、スキルアップをして将来的に上級社員やフリーランサーとして活躍したい方にとってはおすすめできる仕事と言えるでしょう。というよりもここ意識して徹底的に上り詰めることで、将来的に大きな金額を稼げる可能性のある人材になれます。
勤め先の企業によって行なわないものも含まれますが、ウェブデザイナーが行う可能性のある仕事は以下です。ウェブデザイナーはホームページやウェブサイトの作成における一連の作業に関わります。
クライアントからウェブサービスやホームページの作成依頼が入るとヒアリングを行います。この打ち合わせでは、要望通りにサイト作成してほしいという所もあれば、プロの意見としてデザイナーにおまかせをしてくる場合など様々です。
ヒアリングの情報をもとに企画書や提案書を作成します。こちらは基本的に社員が担当し、アルバイトでは資料作成のアシスタントを行うことも。
実際に依頼を受けたら顧客の意見を反映させながら外観とサイトの構成を考えて作ります。外観のデザインはイラストレーターやフォトショップなどのソフトを使い、構成に関してもツールを使ってクライアントが視覚的にわかるように作ることが大切です。
クライアントが納得しないデザインや見栄えのものを提案してしまうと、この時点で契約の打ち切りや修正依頼を出されることあるため、責任の重い業務でもあると言えるでしょう。
最終的にはミリ単位でヘッダーやフッターの位置など調整を行なうことも多く、神経を使う作業になりがちです。
実際にウェブサイトを構築するにはプログラミング言語を、エディタや作成ツールに打込む必要があります。扱う言語は主にhtmlやcssなどの基礎や見た目に関わる部分のコーディングを主に担当します。
スキルの高いデザイナーであると、他にもJavaScriptやphpなどを使ってサイトに動きを加えたり、会員登録ができるサイトにしたりと+αの作業もすることがあります。
ただし、この作業は本来プログラマーの仕事であり専門知識を必要とするため、構成やデザインを考えて実装作業はプログラマーにお願いするというケースもあります。
企業のトレードマークともなるロゴやサイト内で使用する図を作成します。作業手順は様々で、最初からPCで仕上げるところもあれば、まずは手書きで複数の案を書きだしてみてクライアントから了承をもらった段階で、グラフィックソフトを使いデータ化して納品するといった工程を行います。
サイト内で使う画像の作成は、文字で説明がしづらいものを図面化したり、写真に吹き込みを入れるなど・・・実際にやってみると簡単な作業もウェブ作成の時にセットで依頼されることがあるので、こうした内容はアルバイトに任されることも多いようです。
チラシやポスターなどのデザインを構成し作成します。見る人に訴えかけるデザインが求められるので編集技術のみならず、視覚効果やレイアウト、配色センスなどが問われることもあります。
こちらは完成した際に印刷して納品をするので、印刷会社に関わる、もしくは在籍しているデザイナーが行なうサービスであることが多い。
業務内容を見てみると、ウェブデザイナーは経験を積むと広範囲の仕事を任されることが多いです。ロゴの作成やポップデザインの作成は本来グラフィックデザイナーの仕事であり、コーディングはプログラマーの仕事です。
そのためアルバイトの場合は業務を一つに絞って行う、もしくはアシスタントとして総括的にフォローする業務などに分かれることが多いようです。
ここで少し現実的な話をすると、ウェブデザイナーの未経験歓迎アルバイト求人はかなり少ないです。
理由はやることが豊富にあり未経験であるとそれら全ての作業を同時に任せるには研修に多くの時間が掛る事になるため、効率の面で考えると社員や経験者が一括で担当した方が作業は進みやすいという理由です。
その為、将来的にウェブデザイナーを目指すのであれば、目的の求人が見つからなくてもグラフィックデザイナーやプログラマーのアルバイトを行うことで、それらの実務で得る知識はデザイナーに活かすことができます。
その為まずは、関連する他業種に応募をして、将来的に幅広い業務をこなすデザイナーに転職するという方法も選択肢の一つと言えるでしょう。
特にグラフィックデザイナーは、ツールを使って画像編集の技術向上や配色や黄金比と言った見た目に強く影響を与えるデザインとその作り方を実務で学ぶことができるので、ウェブ業界で働く上で大きな武器となることでしょう。
ちなみに下記文言の求人はウェブデザイナーに関連するお仕事です。
プログラマーに関しては、将来的にデザイナーを目指すのであれば、ウェブサイト制作に関わるHTML・CSS・PHP・Ruby・JavaScriptと言った言語を扱う会社を選びましょう。
ウェブデザイナーであれば、サイト制作に関わるあらゆる知識を熟読とは行かないまでも総括的に学習しておくべきです。
先々の話になりますが、例えばデザイナーがサイトの構成を考え、コーディングをプログラマーにお願いする場合、デザイナーが作業に掛る時間や実装の難易度をよくわかっていないと正確な予算をクライアントに提出することが難しくなり、プログラマー側との賃金や納期の折り合いがつかないことも出てきます。
画像やロゴに関しても同様の事が言え、こうした多くの業務を大まかにでも理解できていないと時間の計算がうまくできなくなり、デザイナーの仕事をうまくこなすことができない場合もあるのです。
最初の段階で大切なのはweb全般の広く浅い知識。そこから各分野を専門的に学んでいき、一人で何でもできるようになれば晴れて独立ができるウェブデザイナーと呼べるでしょうね。
基本的に私服可のところが多く、ファッションやアクセサリーなども自由なところが多いです。デザイナーやプログラマーと言った人たちの中には、クリエイティブな発想が必要とされるからか、奇抜なファッションに身を包みながらキーボートを叩く人も結構居たりします。
商談を含む外回りを行う正社員の場合であれば、スーツの着用義務と一般的なサラリーマンの身だしなみを必要とします。
未経験の場合で最も必要なのは「熱意」かもしれません。特にウェブの世界は様々なことができるため、そのぶん覚える範囲も広く業務に関わる内容だけでもかなりのボリュームがあります。
時には自分から率先して学習をする必要性もあり、学ぼうと思えば際限なくスキルが向上していく業界でもあるので、向上心のある人材や長期で働く事を考えている人材を欲しがることが多いです。
採用担当者に話を聞くと、面接時に実務が未経験ながら独学で作ったホームページを見せてくる応募者も中には居たそうです。
ここまですれば、熱意や本気度がしっかりと伝わるので採用の可能性は高いと言えそうですが、ここまでしなくとも採用担当者からするとホームページ制作やグラフィックソフトの使い方などの初歩的な本を読むなど最低限の理解をしてから面接を受けてくれる人を優先して採用したいのが本音とも。
ここで実際に筆者の勤める企業の一日のスケジュールを解説します。アルバイトであれば、社員が行うこれらの業務の補助や、一部分のデザインを担当したりすることになりますよ。
出社後にメールや問い合わせ資料の確認を行います。
クライアントに渡す資料やデータの作成を行います。ウェブデザインではトップページから個別ページまで、まずは画像ソフトを使って作ってみて、その後クライアントから承諾を得て実装作業に入ることが多いです。
クライアントの中にはウェブやブラウザに全く知識がない方も多くわかりやすい資料作成が求められます。そのためパワーポイントやエクセルを使って画像を印刷し紙ベースで提出することも多くなりますね。
ちなみに、デザイナーは複数のクライアントを受け持つこともよくあるため、1日に2~3件の打ち合わせが入っていることもあります。
実際に依頼受けた案件のデザインを作成に掛ります。企業のイメージカラーや見やすいレイアウトを取り入れオリジナルのホームページをデザインします。ここで、実際の業務に使う可能性が高いツールを紹介しましょう。
≪イラストレーター≫
アドビ社が提供する高機能なグラフィックソフト。ホームページのレイアウトを制作する際に利用することが多く、イラストレーターでまずは見た目の部分の制作を行い、出来たデータを基に実際にブラウザ上で機能するホームページを作成します。
イラストレーターの便利なところは、ミリ単位で画像バランスを調整できたり、立体的なロゴを作成するなど・・・イメージするデザインのほとんどを再現することができます。ただ様々なことが出来るために、使いこなすには多くの時間を要します。
≪フォトショップ≫
アドビ社が提供する高機能なグラフィックソフト。写真の合成や加工に向いたソフトであり人物の切取りから色調の変更までやりたいことは何でも出来ると言っても過言ではありません。主にサイトのバナーやアイキャッチを作る時に利用する事が多いでしょうか。
ちなみにイラストレーターとはどう違うのかと言うと、イラストレーターはベクター画像による制作、フォトショップはラスター(ドット)画像によるグラフィックソフトです。
この部分は説明すると長くなるので、今は「0から作るクリエイティブな作業はイラストレーター」で「元の画像加工や編集するにはフォトショップを使う」覚えておけば大丈夫です。ただ極論を言えばどちらか片方のソフトだけを利用してもウェブデザインはできます。
それだけ両者のソフトは高機能なので多くの企業で利用されています。
≪エディター≫
完成させたデザインをホームページとして機能させるには、エディターにプログラミング言語を打込みサーバーへアップロードさせる必要があります。HTMLやCSSなどの言語をして構成通りのサイトに仕上げるわけですが、エディターの中にも難しいプログラミングを手助けする便利なツールがたくさんあります。
今ではプログラミングを必要としないホームページ作成ツールもあり、個人でも少し勉強をすればサイトを公開できる時代です。
ただしそうしたソフトをプロが利用することはありません。手軽に作れると言っても出来る事が限られていますし、顧客から求められるのはハイクオリティなサイトであることが大半であるためプログラミングは必須と言えます。
前述のようにこの作業はプログラマーが専門で行うこともありますが、ウェブサイト制作に関わるプログラミング言語はいずれマスターしておくことが望ましいです。そこまで来るとディレクターや独立と言ったキャリアアップが狙える可能性も高くなります。
≪ワードプレス≫
グーグルが開発したオープンソースのブログソフトウェアで、当サイトもワードプレスによって作られています。
ウェブ制作の案件の中には必ずワードプレスでサイト作成を希望するクライアントがいるので、デザイナーやウェブ制作会社にとって今や必須の知識と言えるでしょう。
詳しい説明は割愛しますが、ワードプレスでサイトを運営することはクライアントにとっても、制作側からしても便利なのでとても需要の高いものです。
<クライアント側のメリット>
<制作側のメリット>
どのようなツールやソフトウェアを使用しているかは入社してみない事にはわかりません。ただ上記に関しては間違いなく利用率は高いので事前に学習しておくと実務の際に理解しやすくなるはずです。
依頼を受けた案件に対して顧客の要望を組み込んだ場合、どのくらいの作業時間を必要とするのかを考え、見積りの作成など事務的な作業もします。
またクライアントとの打ち合わせ後も細かい部分のやりとりをメールで続け、仮データを送ったり電話応対にて緊密に連絡を取り合うことで双方が納得できる条件下での業務を行ないます。
アルバイトであれば定刻通りに退社ができますが、社員の場合は実務作業が長引くことによって残業があります。
特に抱え込んでいる案件が多い時は複数のデザインを作り納期までに間に合わせる必要があるため、余裕を持った時間を設定していなかったり、人員不足であると時には終電近くまで残業をすることもありますね。
なぜウェブ系はここまで、残業が多いと言われるのかというと筆者の見解ではクリエイティブな作業がその足枷となっている気もします。
サイトやデザインの制作は経験やこれまでで培ってきた型があると言っても、毎回同じ物を作るわけには行かないので、実質は0から1にする制作の連続です。
何もないところから生み出す苦労というものは人によっては想像以上に大変な事で、細かい構成やデザインを綿密に考えるだけでかなりの時間を使います。そして時間の配分も難しい。
ただし、それだけ残業をしやすい環境と言っても、「毎日終電」や「毎日泊まり込み」などネットでみる口コミや評判までの会社はそうそうないはずです。仮にそこまで恒常的に残業が続く職場は企業の体質に問題があります。
事実としてデザイナー業などが当てはまるwebサービス業の平均残業時間は厚生労働省発表する「勤労統計調査」で見ても、他業種と比べてそこまで変わりはないです。
スキルを身に付けて給与が上がらない・残業がなくならない会社であれば早々に転職をするべきでしょう。また、デザイナーやプログラマーなどの業界は同じスキルで仕事をしても、会社によって給与が全然違うということがよくあります。
実際に転職をして同じことをしているだけなのに給料が1.5倍になったなどの事例は筆者の周辺でも良く聞くのでキャリアアップは積極的に計りたいものですね。
この仕事に関して言えばアルバイトでもやるなら、将来の本職としてのぞむべきだと思います。数あるアルバイトの中でも群を抜いて学ぶことが多いですし、大変だと思いますからね。そんな中で、多くを学ぶことで役立つことはたくさんあるので諦めなければ決して無駄になることはありませんよ。話が少しそれましたが、ここで筆者がやっていて良かったと思うことを挙げると以下になります。
様々な業務を遂行することから、プログラマーやグラフィックデザイナーに転職したり、部署を統括できるディレクターを目指したりと将来のプランで選択肢が増えます。
ウェブデザイナーは自分のアイデアやスキルを売るお仕事ともいえます。特に0から作ったデザインをクライアントが気に入ってくれるときには言葉では表せない達成感を感じる方も多いようです。
デザイナーは言われた業務をただこなすのではなく、自分で考えに考えを重ねて作った作品をクライアントに提出します。想像するだけも大変なことですが、やりきって感謝をされるときの喜びも一段と大きいはずですね。
これは余談的なものですが、プログラミングやデザインを完璧クラスまで覚えれば、あとは世の中の人が欲しがる便利なサービスやサイトを独自で開発していくことも有りです。ここで、もし多くのユーザーが利用するようなサービスの開発に成功すれば、広告料やシステム利用料で一般の人が決して手にすることのできない大金を得れる可能性があるという僅かながら夢のある仕事でもあります。
結構色々とネガティブよりに記事を書いてしまったので、つらい部分はおおかた予想が付くと思いますが、裏を返せばこれらを意欲的に望めるようであれば天職であると思います。
ウェブサイトに関わる知識は時代を追うごとに増えています。
例えば、一昔前であればユーザーが閲覧できるウェブサイトを完成させればそれで終了だったのですが、いまはサイトの中にアニメーションを付けたり、はたまたツイッターやフェイスブックと機能を連携させたりとやることがどんどん多くなっている印象があります。
そして今後も新機能はどんどん実装されるはずなので、常に学習を怠ることができないでしょう。ここが私は挫折者がでる最大の理由だと思います。
web系の事は義務教育でも学ばず、一生を懸けても到底全てを覚えることはできません。特に最初の内は何から学習していけばいいのかすらわからず途方に暮れてしまうこともよくありますからね。
私の場合は、教本を複数冊買って独学で学ぶことから始めましたが、どうしてもプログラミングでつまづいてしまい、会社に入り1から研修でみっちり学びようやく覚えた経緯があります。
最初のヒアリングで多くのクライアントは、「こうした機能がほしい」とか「こんなデザインを考えてる」など、大まかな目的を持っていることが多いのですが、時には実装にとんでもなく時間の掛るものを頑張って付けたのに「やっぱしいらない」など、話が右往左往することよくあります。
修正をして結局元の状態に戻す。こんなことも日常茶飯事だったりするので、人によってストレスマッハな仕事に感じることも多いようです。
大変ながら、今後更に加速するであろうIT世界の仕事に携わる事は単純労働を続けるよりも遥かに身に付くことが多く将来性も無限大です。
求人に関しては、インターネット求人サイトでの応募が一般的ですが、未経験の場合は研修制度やサポート体制がしっかりしていることを謳うところへ応募をするのが良いでしょう。
余談ですがウェブ系の業務は難しい知識が多い分、基礎をしっかりと身に付けないと後々の理解度に差がでます。義務教育がない分スタート地点は皆0から始まる業界でもあるので、やる気をもって業務に望めば必ず他者よりも一歩先に進めることもできる世界でもあるので是非挑戦してみてくださいね。