現代では生活品から趣味の品まで、何でもインターネットで買える便利な時代となっていますが、そうした環境下で宅配スタッフの労働者不足が深刻な問題ともなっています。
宅配スタッフと聞いてまず思い浮かべるのがヤマト運輸や佐川急便と言った宅配業者だと思います。業務はトラックなどの車両を使い各方面に多数の荷物を届ける仕事が一般的ですが、この宅急便ドライバーはどのような仕事内容をしているのでしょうか?
今回はそんな個人や法人に荷物を届ける宅急便ドライバーについて解説をします。ちなみに、こうした業務は求人欄にはセールスドライバーと記載されていることが多いです。
セールスドライバーと言っても、会社によっては集荷をした数だけ歩合が付いたり、顧客の配送(質問)に関して適切なアドバイスや方法を伝えることができる人材の呼称という意味合いなので、ガチンコの訪問営業はありません。
目次
「普通自動車第一種免許」で仕事ができます。そのため参入の敷居が低く、アルバイトやパートの求人も多いです。また、アルバイトの中には配送数が多い地区などでセールスドライバーのアシスタントとして補助的な業務を行うこともあります。
宅急便ドライバーはアルバイトの場合、時給制と日当制の案件があります。アルバイトの中では給料が高くなる傾向にありますが、1日の勤務時間は5時間以上を条件とするなど短時間勤務の案件は少ないです。ただし、出勤日数は週に3日から可能など日数の調整はしやすい傾向にありますね。
対する正社員の案件は月収こそ平均的な数値となりますが、営業活動による歩合支給や残業手当によって、入社1年目から月収30万を越える場合もあるなど、頑張り次第で給料アップがしやすい業界であるとも言えます。もちろん基本給は経験や成績によってベースアップされることもあるので、更に高額な給与を得ることも可能です。
ただし、実際は積極的な営業活動によってお客様が荷物の配送をお願いすることは少なく、単純に配送量の多い地域が稼ぎやすい傾向があるように感じます。
ドライバーと名が付くものの、担当するエリアを集中的に回ることになるので、ドライバーとしてのスキルよりも人間性が豊かな人材が好まれる傾向にあります。
特に、地域の法人企業や個人店などは毎日のように顔を合わせることになるため、礼儀やマナーを持ち地域から信頼されるスタッフを目指すことが大切です。
実際に業務をすると思うことなのですが、宅急便ドライバーは同業種と比べてもお客様と接する頻度が多いことから接客業に近いイメージがあるでしょう。
メディアにも度々取り上げられるほどの人材不足に陥っているため、余程のことがない限り採用されやすい業界と言えます。
面接時にはドライバーとしてのスキルをアピールするよりも、上述したように明るさや礼儀正しさを意識して面接に臨むことが理想です。「多くの人と関わりながら仕事がしたい」や「担当する地域を盛り上げていきたい」といったポジティブな発言は採用担当に好印象を与えるはずです。
人材不足と聞いて思い浮かべるのが、過重労働やブラック企業なのではないかという疑念。宅配業界が配達料の値上げをしたり、なぜメディアに上がるほど人手が足りていない状況になっているのかというと、それは時代の流れに対応し切れていないことが最大の問題であると筆者は認識しています。こちらをご覧ください。
これは国土交通省の資料ですが、こうしてみると宅配の個数が年々増加傾向にあることが見て取れます。特に2000年代に入りITが発達した環境において多くのサイトでインターネット注文ができるようになり宅配個数が現在も加速しています。
こうした現状のため宅配業界は慢性的なブラック労働の為に人がどんどん辞めていくのではなく、人員自体は変わらずとも、配達数が過去に比べて顕著に増えてしまったために、一人あたりの負担が増大してしまっているのです。
この問題は人口が減少の一途を辿る日本においてますます悪化の可能性がある深刻な問題とも言えますが、宅配業界も料金の値上げや労力の掛かる不在を防ぐために色々な対策を考え配達量をコントロールしようとしているので、決して従業員をないがしろにした営業スタイルではないと筆者は考えていますが、現状はやはり長時間労働をある程度覚悟する職場もあるでしょう。
宅急便ドライバーは物の配達をして終わりということにはなりません。宅急便ドライバーの一日は、業務の流れは下記のようなことを主に行います。
荷物を積んだトラックが朝一番で到着します。配送したドライバーと協力し早番スタッフやアルバイトが荷下ろしを手伝いセンターの倉庫内まで持ち運ぶ作業。
集めた荷物を更に細分化して担当エリアの配送先ごとに仕分けます。一つ一つの荷物に付いた伝票に記載されている地区を見ながら仕分ける作業なので荷物の量によっては結構時間が掛かる作業です。この作業が終えると担当者ごとに分けられた荷物から配達伝票を抜き配送ルートと共に確認しておきます。
自分が使う宅配車に荷物を載せる、この積み荷作業が業務を早く終わらせる鍵となります。日によって荷物の量が違ったり、回る必要がないルートも出てくるので、往復の必要がない最速で回れる道順を思案しながら、荷物を届ける順に手前から置いていき、一番最後の荷物を奥に置きます。
ここで注意するのが時間指定の品物を交ぜて配送する場合は、それらの時間も加味して計算をすることもあるため難しいところでもあります。
ベテランともなると、この積み荷作業に時間をかけずに効率よく荷台にしまうのでこの辺りは経験の差が出やすい作業になるかもしれません。
個人宅やお店に品物を届けます。ここでは、呼び鈴を押して数分待たされることもあれば、着払いの品を「頼んだ覚えがない」と受け取り拒否されたり、代金引換の品で料金トラブルが発生するなど、宅急便ドライバーには何ら関係ないことでクレームが起きることなどもあります。
そうした中でも、担当エリアで今後また伺うことになるので、決して不満そうな顔をせず、お客様の要望や意見をしっかりと聞いてあげることが大切です。
実際はこのお客様と顔を合わせる配達では、クレームばかりではなく荷物を届けるときに感謝をされたり名前を覚えてもらって簡単な世間話を交わすなど、温かい対応をしてくれる方が非常に多いです。
訪問宅が不在である場合は不在票を投函しておきます。住民が帰宅した際に改めて受取日を伝えてくるので、そうした時は忘れず配送する仕分け先へ荷物を移動させておきます。ただ不在伝票は溜まりやすくもあるので、帰り際にもう一度立ち寄ってみたり、配達のついでによって捌ける物はどんどん捌くというスタンスの方もいるので、やり方は様々ですね。
お客様から「いつもありがとう」と言われる一言がこの仕事のやりがいの一つでもあります。ただ多くの人と関わる分、中には気むずかしい人や高圧的な人がいるのも事実ですが。
ただそうしたことをいちいち気にしてしまうと後々の作業にも精神的な支障をきたしてしまうので「こんな人もいるんだ」くらいに思っておけば随分気が楽になりますよ。
午後になると、担当エリアの荷物を発送する取り次ぎ所や個人宅を回って荷物を集荷していきます。集めた荷物を営業所であるセンターに運び、2便で到着したトラックの荷物を積み込み再度配達に回る流れを繰り返します。
日によって荷物の量が違いながら、配達は時間指定通りにするものや、仮に指定無しでも著しく遅らせることはできないので、非常にタイムスケジュールが組みづらい仕事と言えます。
そのため個数が多い日は残業が発生します。
ここで宅配便を遂行するにあたって、なくてはならない道具を紹介します。主に配達の際に使うものになるのでアルバイト、正社員問わずこれらの道具は使うことになりますよ。
大口の荷物を運ぶときに使いますが、徒歩で行ける距離に配送先が密集しているポイントなどは、違反とならない安全な場所で駐車し台車に積み込み徒歩で回ることもあるようです。
梱包された荷物に貼られている伝票のバーコードを読み取っておくことで顧客が荷物の追跡状況を確認できるようにしたり、配達が完了した際の登録などをデータで管理するため機能が付いているなど、宅急便ドライバーが常に携帯していなければならない機械です。
お客様が荷物を発送する際に必要な伝票ですが、お客様の手元にない場合もよくあるので営業車の車内などに保管しておき常に渡せる状態にしておきます。宅配業者によっては、元払い、着払い、複数口、往復便など用途に合わせた様々なタイプの伝票を用意しています。
ブラックな業界とも揶揄されることもある宅配の業界ですが、具体的にどのような部分がきついと感じてしまうのかをまとめると以下になります。
これは口コミや評判サイトなどでもよく見る意見ですが、宅配のドライバーは前述のようにタイムスケジュールが非常に組みにくいことやお客様ありきの商売のために残業が発生してしまうことが多いです。
単純に配達や集荷物の多い日や、せっかく仕事を早く終えても不在伝票を入れたお客様宅から連絡が入り届けに行くことになったが、すでに終業間際の時間であった・・・などの要因によって引き起こることもあるので、時にはストレスを感じることもあるでしょうが、残業代が支給されるだけましと思って業務に取り組む気持ちが大切かもしれません。
アルバイトであれば自分の決めた期間をしっかり勤め上げることで、他の業種と比べても比較的短期で稼ぎやすいと言えますが、社員を目指す場合であれば日中に行う業務を定年まで続けられるかは人によって不安が残るでしょう。
特に重い荷物の持ち運びを続けると腰痛もちになりやすく、業務が遂行できない体になることも考えられます。
ただし、これは担当エリアや人によって様々で実際に40・50代でも活躍ドライバーの方はたくさんいるので、悩みすぎる問題でもないかと思います。
マンションの管理人が独自に建物内で台車を使うことを禁止していたりと、建物によって配達に関するルールを設けているところも存在します。特に都心部では建物自体が多いためそうしたルールを適用しているところを覚えることから始め、宅配ボックスが満タンの場合はわざわざ高層階まで上がり届けに行くなど、配達業者にとっては苦労を感じることもしばしばあります。
宅配便ドライバーは、住宅や店舗の密集するエリアを回ることになるので、他の業種よりも狭い道や人通りの多い道を走行する頻度が高い。そのため、常に事故の危険性を意識して業務をする必要があります。
業務の大半はお客様と接しているので、会話が好きな人にとっては向いている業界と言えます。1日に数百もの配達物があれば、それだけ多くの人とも接していることになりますからね。
アルバイトであれば勤めるだけでも時給は高めなのでおすすめできます。社員においても残業代や歩合によって給与の上乗せ制度がちゃんとしているところだと働いた分だけしっかりと還元されることになるので高給与を狙いやすい業界であると言えるでしょう。
また、キャリアアップも可能な業界で社内資格試験に合格することによって自分が目指すポジションへ異動をすることができる企業もあり、セールスドライバーとして定年まで勤め上げることもできれば、教育担当や管理職など様々な選択肢が用意されていることも多いので、更に昇給するケースも考えられます。
応募をする方法としては、自宅周辺の営業所へ直接問い合わせるかもしくはインターネットサイトにて自宅周辺エリアの求人を探すことが一般的です。
余談ですが、今回の記事を執筆するにあたっては当サイトライターの体験談と口コミ調査をしていますが、そこで意外だったのが、「知り合いと顔を合わせたくないから少し離れたエリアで仕事をしている方が一定数存在することでした。
そうした場合はインターネットで隣駅などの求人を探すとうまくいくかもしれませんが、交通費の支給有無は確認をしておきましょう。
大変ながらやりがいのある仕事のセールスドライバーに興味を持った方は、是非挑戦してみてはいかがでしょうか。
ちなみに、ネットからの応募であれば採用をされるとお祝い金が貰えるマッハバイトからの応募がおすすめです。下記に配送系バイトの求人一覧ページへのリンクを掲載していますので気になる方は是非確認をしてみてください!
来年の1月から、ヤマト運輸に入社することになりました。ちょっと聞きたいんですが、会話があまり上手く無い人は、この仕事にむかないでしょう?
ヤマト運輸で友達が働いているので聞いてみたところ、近隣企業に集荷をすることもあるので、色々な人達と話す機会があるそうです。ただ、基本的にはこちらに必要なのは挨拶や礼儀と言った基本的な部分であり、こちらから率先して話題を振るようなことはありません。ただ、中には話し好きの人や友好的な接し方をしてくる方も多いので、会話をする機会は結構あるようですね。また、職場内では事務スタッフとのコミュニケーションは毎日取ることになります。職場の特性かもしれませんが事務方のほとんどはパートの女性、配送スタッフは男性になるので、複数の営業所を経験している友達によると営業所の雰囲気はどこも穏やかな感じでそれほど心配する必要はないと思うとのことでした。