医師の非常勤やスポットバイトは5~10万までの金額を1日で稼げる正にスーパーアルバイト。どうやら現状ではこうした医師バイトをしているお医者様が増えているようです。
今回は、当サイトが現役で勤務医を持たない医師バイト専門の生活で生計を立てているHさん(総合内科・男性29歳)にインタビューを行い、体験談からバイト医のメリットデメリットなど各種情報を聞いてみました!
初めての医師バイトだと不安に思うことなどがあるかと思いますが、その点についても触れているので是非参考にしてみてください!
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筆者:まず始めになんですが、勤務医として同じ病院にずっと通っていても不自由ない生活ができる収入の医師なのになぜアルバイトをしようと思ったのですか?
H先生:僕はお金よりも時間が欲しいと思うようになった為です。診療科にもよると思いますが、僕の場合は病棟管理で激務とまではいきませんでしたが、それでも医師は代替えできるほど人材がいないし、休日に呼び出しされることもあるわけで、1日に5時間家に入れればいいかなというぐらいでしたからね。
筆者:そこまでの忙しさだとたしかにその気持ちわかります。やっぱしバイト勤務の医師はそうした時間を優先したい人が多いのでしょうか?
H先生:まぁそういう人も多いですね。ただ、人によってはより知見を広めるために他の医局を短期間経験したいというアグレッシブな人もいれば、常勤医となれる場所を探す目的をもって実務している人など、様々な人がいますね。出会いやご縁は間違いなく増えるので、そうした意味合いでも様々なシーンに医師バイトって役立つと思うんですよ。
筆者:ちなみにH先生が思う医師バイトのメリットはなんでしょうか?
H先生:やっぱし時間に縛られないことが一番の魅力です。担当の患者さんがつくと、それこそ24時間体制で働く気でいないといけませんし責任も重いですからね。今は、休日に呼び出しをされることもありませんし寝てる時間に電話が掛ることもありません。昔の自分はどこか追い込まれている部分があって医師なのに自分自身が健全ではなかったんですよね。笑
他のお医者様が見たら怒るかもしれませんが、今は仕事と家庭が完全に両立できていて、スケジュールもしっかり組めています。家族との時間をしっかり過ごせることが何よりの幸せです。
筆者:誉れ高いお医者様だって人間なわけです。自分の幸せや希望を優先するのは当然のことですよ!
H先生:ありがとうございます。あとは事前に自分がどれくらいの力量で働くかを選べる点が魅力だと思います。私の場合は主に日勤で一般内科診療を行いお給料を貰えるわけですが、人によっては症例を積みながら自身のスキルを広げていきたい人もいるわけで、整形外科の方なんかはバイト医でも手術経験を豊富に積める場でもあるようですよ。勤務前には必ず面談を行なうので、その時に自分の希望等をしっかり伝えておくとお互いの相違なく仕事ができるので、何か目的を持っている人についても利点は感じられると思いますね。
筆者:個々の適性や希望に沿った形で働けるからスポットバイトでも意外とストレスはないようですね。では反対にデメリットは何が挙げられますか?
H先生:アルバイト専門で・・・となると、確定申告を自分で行う必要があることや、希望の条件で受け入れをしてくれる病院が見つからず時間を消費してしまうことなど苦労する面が多いのも事実ですね。また、収入が保証がされていないので体を壊せないこともリスクです。
私自身が医者になるまでは専門分野の勉強ばかりで、税金に関する知識は何一つ備えていなかったことも問題かもしれませんが、毎年1月~12月までの所得に対する確定申告には悩まされていました。
勤務する病院によって予め税率分の給与を引かれた形(源泉徴収)で貰いますが、日本では収入によって税率が変わる累進課税となるため自分の収入をコントロールしておかないと税金の計算が非常に面倒となります。
予め税金が引かれた源泉徴収の額面だけで申告すると、本来納める税金に足りないケースもあるので追加で納付することもありますし、反対に税金を払い過ぎているので過払い分を返却されるなど、年度によって税金に振り回されいまだに正直よくわかっていない状態です。
1月1日~12月31日の間の所得を次年度の2月16日~3月15日までに申告する。
【対象者】
その他にも細かい部分はありますが、医師バイトであれば年間で考えると複数の勤務先から給与を貰うことになるので、間違いなく確定申告をする必要が出てきます。
また、H先生の話していた内容に共通することですが、勤務先からの給与は予め源泉徴収をされた状態で貰うことが一般的で、税率は3~10%を事前に引かれています。
ただ、この税率部分は各勤務先で統一されていません。これは給与明細を貰う時点の単発分の収入から税率を算出しているためであり、その人の年収に対しての計算ではないため、ズレが生じてしまうのです。この部分や確定申告のやり方に関しては詳細に書くと途方もない文字数となってしまいますので別途記事にする予定ですが、その他にも健康保険の継続など手続き関係は総じて苦労をすることになるでしょう。
H先生:前までは、講演先で知り合った方からのご紹介や直接問い合わせをしてみて交渉する流れだったのですが、給与面や納得できる条件が提示されず時間ばかりが労費されていくということが良くありました。
この部分はもちろんお金が発生しないので悩みのタネだったのですが、最近では医師不足に加え、ネット上で代行エージェントやオープンな情報を提示している医局も増えているので、効率の面ではかなり良くなったと思っています。
私自身は現在、医師バイトドットコムという無料の紹介サービスを使って、そこから紹介された医局で働いています。
株式会社メディウェルが運営する定期からスポットまで幅広い求人情報を掲載する医師専門の紹介サービスです。
常時1万件以上の案件を扱っており、登録をした後に自身の希望を伝えておくと、専任のコンサルタントが条件に合う求人を提示して更には給与や諸条件等も代行で交渉をしてくれるサービスです。そして利用料は無料。
医師バイトをする人の中には時間の余裕が欲しかったり、自身の収入を調整する目的で始める人が多いのですが、こうした条件等を各医局に確認して紹介してくれることから勤務先選びに掛る時間の損失を防ぐことができるようです。
そこで希望や懸念事項を話したうえで条件に合致する求人を提案してもらえるので自分で探すよりも効率が良いです。
実は今までに色々なエージェントを利用していたのですが、医師バイトドットコムにしか掲載されてない求人がかなり多く、片田舎に住む私でも周辺の求人が非公開求人として多数用意されていました。
H先生:月に2週間ぐらい勤務すれば1世帯の生活は可能です。バイトと聞くとやっぱし給料が低くなるのではないかと思われがちですが、案件によっては勤務医時代の日割りを超えるものたくさんあります。
内科の平均年収はおよそ1350万前後と言われていますが私の場合、勤務医時代はそれよりも下回る金額でした。
スポットの案件は豊富にありながら、単価が勤務医時代の日割りよりも高い金額が提示されているケースは逆に多い位なので、出勤数次第ですが各診療科で平均年収を超える金額を稼ぐことは可能です。
それと隠れたメリットとも言えるかのしれませんが、交通費等の経費は大半が支給されるので準備に掛かる費用等までも抑えられている点が大きいです。
H先生:僕が言うのもおこがましいですが、ライフスタイルは人それぞれなので興味があればやってみても損はしないと思います。
僕自身は家族ができたことによって、時間のゆとりを持ちたいという理由から今の生活をしていますが、医師免許がある以上医者というスキル自体がなくなることはありませんし、生活が苦しくなることもありません。
人によっては、フリーランスの医者は誇れるものではないという方もいるかもしれませんが、現場で感謝をされることだって勤務医時代と変わらずたくさんあるわけですからね。
特に医者という難関を突破して実際に従事する人達は今までに物凄い努力をしてきた証でもあるのですから、どのような選択をしたとしても成功に導ける力があるはずです。是非、自分の思うままに行動してみてはいかがでしょうか?