人材不足や働き方改革もあって昨今派遣として働く保育士が増えてきていることをご存知でしょうか。
実際のところはどんな人が派遣保育士として働いているのかというと、大半が正社員や勤務歴がありながらも出産や子育てをきっかけとして一度退職をしたブランク経験者であるそうです。
実はこの派遣保育士という選択は経験者によるととてもおすすめができる働き方でもあるようで、今回は派遣保育士として働く夏音さんにお話を伺いメリットやデメリット、仕事内容の違い、昨今の業界事情など働く前に気になる各種情報を聞き出し記事にしました!
目次
まず派遣として勤めるにあたって、正社員とはいくつか異なる点や傾向があります。働く前に最低限知っておきたいのは以下のような情報です。
正社員であれば園や託児所を運営している会社が雇用主ですが、派遣の場合は派遣会社が雇用主となって保育園や託児所に派遣先として向かう扱いになります。そのため、福利厚生や賃金の支払いは派遣会社が行うので保育園とは契約に基づき働くという関係です。
正社員と派遣で保育士としての仕事が変わるかどうかは園によって異なりますが、派遣としての働き方であればクラスの担任を持つことはせず、副担任としてのサポート業務や正社員の補助を行うことが多いです。
もちろん、園児のお出迎えや絵本の読み聞かせなど園児とのふれあいや教育については変わらずに行いますが、連絡日誌や日報の作成などデスクワークの比率が正社員として働いていた時よりも高くなった気がします。
7:00 ミーティング、登園してきた保護者と園児をお出迎え、体調チェック
8:00 朝礼準備、イベントの準備、各クラスの担任から依頼される雑務
9:00 クラス別のサポート業務、午後に使用する本やお布団の準備、連絡帳や配布物の作成、電話対応、園児の見守り
11:00 昼食の準備、配膳、園児の手洗い確認、アレルギーのある子に対して除去食が正しく盛られているかの確認
11:30 園児と共に昼食を取る、コミュニケーション、好き嫌いの確認、給食に対する園児からの意見をフィードバック
12:15 食事休憩を一足早く終えて昼食の片づけ、お昼寝の布団準備、園児の見守り、日誌の記入
14:00 起床コール、お布団の片づけ、各クラスごとのおやつの準備
15:00 おやつタイム、園児の見守り
15:30 活動報告の記入、明日の業務確認、清掃
16:00 帰宅
実際に私が勤めている保育園では上記のような形で一日が流れています。(日により異なる)フルタイムの勤務ですが、派遣の場合は4時間などの短時間シフトで募集をしている所もあります。
私の場合で言えば一つのクラスというよりは事務員+全クラスのサポートと言った形で、お遊戯などのイベントが全くない日は事務所でまったりしていることもあります。
派遣として働くと正社員とはまた違った魅力があります。園児がすこやかに育ってくれるには、働き手である私達も健康健全である必要がありますが、業務過多など大きな負担に迫られることがないので働きやすく、その他にも魅力に感じる点がいくつかあります。
一般的なパートアルバイトで生活費を足すくらいであれば、派遣として保育士になった方が高い時給で働くことができます。私のエリアでは、周辺の飲食店やスーパーの時給平均がおよそ900円に対して、派遣保育士の時給相場が1000円ほどだったので稼働時間を考えるとこれは大きな差として保育士カムバックの要因の一つとなりました。
保育士は専門職であるため、何歳からでも資格があれば受け入れをしてくれるところが多いです。私自身も求人を確認した時は選べるほどの案件もあったし、昨今の保育所に対する人材不足も重なって参入が比較的簡単というのもメリットですが、何より過去の努力がまた活かせる部分が個人的に嬉しかったです。
派遣は決められた期間中のみ働く契約ですが、勤務の延長や更新も比較的しやすいのでデメリットになりません。私の例で言えば既に満期を3回迎えていながらも園長や保育士さんと良好な関係を築けていますし、仮に退職することになっても紹介してくれる保育園はいくらでもあります。
派遣は所属が保育園側にないので契約以上のことはしません。園に正社員として働いていたころは、催しの準備やカリキュラムの作成などで残業が頻繁にあったのですが、派遣では労働時間が明確に決められているのでスケジュール管理がしやすく、家族の協力があれば家事との両立も可能です。
派遣であることがデメリットに感じる部分は正直そこまで経験をしていないので続けられているわけですが、挙げるとすれば以下のようなことが起こりうるかもしれません。
この業界に限らず、派遣<正社員と言った具合で雇用形態を見て人を判断する残念な方もいるのも少数ですが事実です。派遣先を変えれば済む問題ですが、そもそもそうした極端な思考を持つ人が園児を健やかに育てられるかというと疑問ですよね。
派遣しての契約であると時給制になるので、正社員にはあるボーナスなどの待遇には期待できません。ただ、そのぶん派遣は時給が高いことによってイーブンでもありますが。
やりがいがないと言うと語弊がありますが、派遣として働く場合は基本的に決まったことの繰り返しになります。
保育園を更に良くするための施策や方針については全て園長や直雇用の先生たちにお任せになるので、自分で良い方向に変えていこうと考えている方にとっては少々働きづらいかもしれません。
ちなみに私のいる園でも行事計画書等の運営に関わる部分は触らせてもらえません。上述で色々と説明をしてきましたが、保育士資格を持ちながら実際に行う作業が資格の必要ない「保育補助」としての立ち位置であることも多いのです。
正社員の経験をしている方であればその時よりも肉体的にも精神的にも楽に感じるかもしれません。
仕事に対して責任がないわけではありませんが特にサービス残業がないのが大きく、担任のお手伝いの途中であっても時間が来れば帰れるからです。
また、自分自身のルーティーンに関しても時間にゆとりを持った組み方をされているので、時間内に終わらないことは一度もありませんでした。ただ、派遣と社員を線引きをしっかり引けていないところであれば、また違った状況になるかもしれません。
サポートが特定のクラスに偏ってはいますが、時には絵本を読むこともあったり、一緒に歌をうたうなど、色々なクラスに関りがあるので園児さんとの関係は全体的に良好になりやすいです。
たまに顔を出した時に、私の事をしっかり覚えてる園児が駆け寄ってきてくれたりすると本当に正社員時代と変わらないやりがいを感じます。保護者様からは担任ではないことから事務員さんと思われることが多いです。
保護者に対する入園説明や面談は行わず、一時対応から担当へ取り次ぐなど間接的な対応がメインなので、大人同士の付き合いが苦手という人には派遣保育士の働き方もおすすめできると思います。
私の働く園では派遣スタッフが3名いる職場なのですが、結論からいうと誰一人として差別やいじめにはあっていませんし契約内容と違うことをやらされたりすることもありません。
事務所で休憩をするときは園長さんとお茶をすることもありますし、休日に派遣仲間とプライベートで食事に行くこともありますからね。
ただ、パワハラやセクハラについては人間関係の問題なので園によっても異なりますが、自分が求められていることをしっかりこなしていけば園児や社員さんからも信頼されるはずだし、この部分はそこまで気にしなくても良いと思います。
最初から邪険に扱われたり、業務の説明を正しく行ってくれないなど仕事に支障がでる場合は派遣会社の担当者に状況を正しく伝えて、契約違反を理由に職をすぐ変えれば済む問題でもありますからね。
派遣会社経由で保育園に働く場合は以下のような手順で実際の勤務が開始されます。
まず派遣会社へ登録を行うと担当者から連絡がくるので、そこで自身の経歴や希望収入、通勤エリアなどの各種打ち合わせを行うと派遣会社が保有している求人リストの公表をしてもらえます。
仕事の中には、短時間勤務や後々に正社員として働くことができる紹介予定派遣など案件が豊富にあるので自分に合ったものを選びましょう。
そして、働きたい保育所が見つかれば施設の見学やスタッフと顔合わせを行います。ここで、各担当者とご挨拶をできるので職員の人間性や園内の雰囲気がわかります。ここまでのステップを踏んで改めて就業意思があれば正式契約を結ぶことになり勤務がスタートします。
派遣保育士で求人を探すのであれば業界最大手の「ほいく畑」がおすすめです。ほいく畑は保育求人に特化した派遣会社となっており、専門会社なので担当者の保育園に対する知識も豊富で頼りがいがあることに加えて、厚労省による有料派遣事業者にも認定されています。私立や公立まで様々な案件があり、中には未経験可や時短出勤も可能な求人が豊富だったので幅広いニーズに対応できると思います。