職人業界であるハウスクリーニングはどのようなことをするのだろう?今回はそんな未経験者からすると謎多きお仕事であるハウスクリーニングについて解説を致します。詳しい仕事内容や評判を確認して応募の参考にしてください。
まず始めに、ハウスクリーニングとは掃除業者全体の呼称で、実際の業務内容はアルバイトと言えど細かく細分化することができます。
例えば、マンションや施設の新規建築に取り掛かる場合、工事の過程で多くの業者が関わるので、粉塵や塗装などによる汚れが至る所に付着します。
そうした新築施設を依頼主に引き渡せる状態に仕上げるクリーニング業者や個人宅に依頼されるエアコンの内部清掃や浴室、トイレ、キッチンなどを行うハウクリ業者など、ハウスクリーニングと一言で言っても内容は多岐にわたります。
アルバイトや派遣でハウスクリーニングを検討している際は、その業者はどのようなクリーニング業務を主としているのかを吟味しましょう。
広範囲に業務を請け負うクリーニング業者などは、数々の知識を駆使して素人では解決することのできない汚れを綺麗にするスペシャリストと言えますよ。
目次
稼げる度 | 都心部相場 | 地方相場 |
---|---|---|
★★★★ | 約9000~12000円 | 約7500~10000円 |
基本的には日当制の所が多いですが、時給に換算すると他業種よりも比較的高い傾向があります。ただし現場までの移動時間を考慮すると遠方である場合、実際の拘束時間が長くなることもあります。
★★
忙しさという側面で考えると納期までに終わらせるタイプの仕事なので、激しく動き回るということはそれほどありません。ただ、新人である最初の数か月は道具の使い方などを見て覚えることが多いので雑務や先輩のアシスタント的な役割を任せられることもあります。
★★★
施設などの現場に入るタイプのハウスクリーニングは、広い敷地内を広範囲にクリーニングするため動き回ることも。また個人宅に伺うものでも清掃箇所によっては重い物を持ち上げたりと体力を使います。
あくまでも個人宅からの依頼の場合は依頼主が出来ない清掃を代行して行うので案外大変な作業も多いです。ただ他の職人業務と比べると体力はいるけど力はそれほど必要ないのも特徴で若年層以外でも充分活躍の場があります。
★★★
様々な状況に合わせた清掃方法を的確に覚える必要があるため、覚えることはたくさんありますがアルバイト・派遣スタッフであれば、親方や先輩の指示で動くため技術よりも指示されたことを確実にこなす行動力が必須です。
経験を積むと機械や特殊な薬品を使った清掃方法をどんどん覚えます。この業界は基本的に現状を見てから対策に入るので、先輩の仕事ぶりをよく見ていると応用力なども身に着くのです。
それではここで実際の業務内容を解説いたします。アルバイトや派遣として志願をする前に、どのような一日を過ごすことになるのかをしっかり把握しましょう。今回は各現場のケースごとに紹介します。
規定時間前に現場入りし、現場監督・他業者と共に朝礼をし、血圧や体温などの健康チェックを行う。
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日ごとに与えられる区分のクリーニングを行う
現場に入るハウスクリーニングの業務は実に様々です。とにかく物件は新築に相応しい綺麗な状態で引き渡す必要があるためあらゆる箇所を綺麗にしていきます。主な業務は以下となります。
内部設備や通路に、ほこりやペンキなどの塗料が付かないように予めテープやビニールシートで覆う作業。これをしておくと汚れの大半を防ぐことができ後々の作業が楽になる。
また、新築物件には多くの業者の道具やキッチン用品などの設備を室内に搬入するのですが、それらが壁や柱にぶつかって傷つかないように柱や壁にクッションなどを覆う作業なども含まれます。
多くの人や物が入り乱れる現場は新築と言えど埃や土などが入り込みます。他の業者が作業をしやすいように、そして最終的なクリーニングをしやすくする為に掃き掃除や雑巾がけなどの基本的な作業も行います。
新築の床などに仕上げで汚れが吸着しないようにワックスをかけます。経験が浅いとムラができてしまったりするので、親方などのベテランが主に行なうことが多い。
窓にも工事の際に埃や塗料が付着します。清掃のやり方は普通に拭くのではなく、専門の刃を使って汚れを落とし、ウォッシャーと言われるふわふわのモップなどで窓を洗剤で磨いて水分を最後に切るなど熟練技が必要であったりします。
オフィス街を歩いているとまれに、ビルの窓を清掃する作業員を目にすることがありますが、やる内容は基本的に同じです。
現場にはガラなどの大粒のコンクリの破片やモルタルといった大きくて固いゴミがでます。必要に応じて掃除機をつかい出来るところを先に綺麗にしていきます。もちろん掃除機はそうしたゴミを吸える専用のものがあります。
上述以外にも行う仕事は多岐にわたります。また、現場での仕事は現場監督の指示によっては資材搬入の手伝いなど、他の業者と協力して行うことも稀にあります。
最終的な目的は、新築を引き渡す際に完璧に仕上げること。アルバイトと言えども現場の裁量によっては責任の重い仕事を任せられることもありやりがいは高いと言えるでしょう。
この際に、どこにどのような汚れが付いたかで使う薬品や清掃方法を変えていくので最初の内は様々な経験をして成長していくのです。
指定された時間に依頼されたお宅へ向かう。もしくは電話にてクリーニング内容を伺い見積りを取る。
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下見や伺った内容を基に必要な用具や機械を車に積み出発する
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依頼主の要望箇所をクリーニングする
個人宅では、自分ではできないところの清掃をあなたたちの業者へお金を払って頼ります。事前にヒアリングした内容を解決できるクリーニングを提案し実施するのが仕事で、主に多い内容は下記です。
基本的には分解をして作業するところや手が届かない箇所の依頼をされることが傾向として多いでしょう。
個人で出来るエアコンの清掃は外部やフィルターの洗浄までの方が大半で、内部部品まで清掃を徹底できる個人は少ないのが現状です。専門業者の知識を生かし、エアコンを分解して内部にある部品に付いたカビや埃などを一つ一つ洗浄していき、最後に防かび剤のコーティングなどの作業を行います。
便器のふちにこびり付いた水垢や尿石は時間が経つと個人で落とせないほどの汚れとなることがあり、また隙間箇所なども菌が繁殖しやすいところでありながら個人では中々その汚れを落とすことが出来ません。
こうした場合に、特殊な薬剤を塗布して汚れを剥がしたり、部品を一度分解して汚れを削ぎ落とします。またその際にシンクなど、トイレクリーニングはトイレ内全体の清掃を受け持つことが多いです。
油汚れが吸着しやすい換気扇もハウスクリーニングの専門業者は分解し内部まで洗浄を行います。
カビの種類によっては市販の薬剤や一般的な掃除方法によっては中々落ちないものなどがあります。特殊な薬品の散布や様々な種類のカビの性質を理解したプロであれば適切に対応し綺麗にすることができます。
上記の業務を終えると依頼人宅にて精算や後日振込の案内をして終了となります。個人宅クリーニングでは、まず一つの箇所の清掃案件に集中して学び、ステップアップで様々な現場に対応をしていく職場が多いですよ。
実際にハウスクリーニング業者として働く場合に、どのような人が向いているのか?この仕事はアルバイトと言えど専門職の領域になるので、他業種と比べても求められることが多いかもしれません。
仕事内容は未経験のうちから実際に様々な現場に先輩と共に行動し覚えていくのが基本となります。
アルバイトや派遣スタッフと言えど、クリーニングのプロ集団となるわけですから、ある程度の経験を積んだところで汚れの原因となる特性をしっかり理解していると、あなたの判断で最も効果のある清掃方法を選ぶようになることもあるかもしれません。
汚れの種類と言っても、油汚れ、泥汚れ、菌やカビが原因となる汚れなど様々な種類の汚れに対応していかなくてはならない、そして用具類の使い方などもしっかりと覚える必要があります。職人業界の中でも頭を使う部類のお仕事なのです。
ハウスクリーニングはいわばプロのお掃除屋さん。家庭の掃除では妥協するところも現場や依頼主のお宅ではしっかりと清掃をします。狭い隙間や窓のサッシなど、細かい部分の清掃や養生のテープ止めなど手先が器用だとある程度スムーズに業務をできます。
現場におもむいて、マンションや公共施設のクリーニングを行なう場合は各業者との段取りをすり合わせながら業務に入ります。現場監督から親方に、そしてあなた達に仕事内容の指示が飛びます。
最初のうちは言われたことをこなすだけの作業となりますが、慣れてくると持ち場に対してきっちりした時間の割振りが行われるようになるでしょう。
また、現場入りの仕事の場合は県外や市外などの遠方に向かうことも多く、朝が苦手な方には辛い部分があるかもしれません。
使う道具がわかれば業務がイメージできる!?ハウスクリーニングでは本当に数え切れないくらいの様々な道具や薬剤を使用しますが、現場で必ず触れる可能性が高い代表的なツールを以下に挙げます。
様々な道具を収納できるベルト掛けの袋で現場入りの際などは手が塞がる事が多いので必須です。
こちらは床を磨いて綺麗にする機械。床に洗剤を撒いて開店するブラシをあてるとピカピカに。しかし重さがあり、腕の力だけで扱うと回転するブラシに振り回されるので、ある程度経験を積まないと扱いが難しい。
ホルダー部分に刃を差して使用します。鋭利な刃でガラスの表面に付いたペンキやモルタルなどの資材汚れを綺麗に削ぎ落とすことができます。ただし、フィルムの貼ってあるガラスに使うとフィルムが傷ついてしまうので使用できません。
雑巾のこと。拭き掃除や薬剤を塗布して汚れを溶かしながらふき取る時に使います。
現場入り作業の場合は必須です。あご紐が着いているものでこれがなければ現場に入れません。
屋外足場を使って窓の外側やタイルを清掃する時に必要です。一般的にはベルト部分と足場に繋げて使用します。
現場によっては必要な靴。靴の先端に鉄板が入っており踏まれたり、先を固いものにぶつけても痛くない。
プラチックビニールや緩衝材と言った衝撃を守る目的のものや、マスカ―テープ、ビニールシートと言った汚れから守る素材に分かれます。またエレベーターなどの資材搬入の出入りが激しい所などはベニヤ板など強固な素材を使って養生することも有。
片手で持って使う強力な風量を発する機械で、屋外に埃や汚れを飛ばせる時には拭くよりも効率が良いので使います。主に中古物件の窓サッシに溜まったゴミなどを飛ばす時に利用。
水分を吸い取ることができる掃除機。ポリッシャーで床を磨いたあとに排水できる場所がなければバキュームで吸い取ります。
業務用のコンクリの破片など大きなゴミも吸い取れるもの。使い方は家庭用のものをほぼ同じです。
埃の吸着に使用します。ハウスクリーニングではそのままかけることもあれば、油性の薬剤を塗布してがっつり埃を吸着させる清掃の仕方など、基本的なアイテムですが現場では時に大活躍をします。
作業着で行い、筆者の経験と周辺同業者に聞き込みでは支給されるところは少ないようです。ホームセンターやワークショップの作業服コーナーに置かれているものの中から選びましょう。
夏でも長袖のシャツを着用します。汚れやすいことはもちろんですが、ハウスクリーニング業者はシンナーや塩酸などの強力な薬剤を時には使います。
作業用のものであれば基本的にはどれでも構いませんが、裾の調整はしっかりした方がいいでしょう。裾を踏んで思わぬ事故に繋がる危険性があります為。
安全靴が必要な現場では安全靴を着用。それ以外の所ではスニーカーで大丈夫です。
現場作業では、作業服がかなり汚れることがあるため、すでに汚れの取れない作業服の着用でも大丈夫ですが、個人宅訪問の案件に関しては綺麗な作業服で向かうことが暗黙のルール。依頼したクリーニング業者が汚かったら嫌ですからね。
私のところは主に中古物件の改装や新築施設などのクリーニングとして現場作業メインの所となりますが、毎日が違う作業で新鮮なので飽きずに続けられています。
ただ、現場が県外の場合が多く、早い日は朝の4時に起きたりしています。
そのため夜は早い時間に寝るように心がけています。私的には仕事よりも朝が辛いのがネックな部分です。まぁ健康的な生活には違いないですけどね。笑
個人的に、とび職やボード屋などのいわゆるガテン系と言われる職場の人は体育会系の人が多く、人間関係が結構大変でした。
ハウクリはどちらかと言うと力よりも技術職の部類に入るので、そのせいか今の職場はほんと穏やかな人が多く仕事がしやすいですね。
アルバイトから3年目に正社員となりました。個人宅の訪問清掃がメインの業者です。私のところの場合、依頼される方の大半は老夫婦のお宅で、それ以外は法人の飲食店などがあります。
最初の頃は各場所の清掃方法が中々頭に入らず先輩に頼っていましたが、半月もすると汚れを見てどのような方法で綺麗になるのかパッとイメージができるようになり、作業効率を上げて1日に数件のお宅に回れるようになりました。
何よりこの仕事のやりがいは、自分が手を動かすごとに、ピカピカになっていく設備や機械を見ていると充実感や達成感が毎回込み上げてきます。
私のところは習うより慣れろの風習があり、最初のうちは先輩についてお宅を回りました。
道具類の手渡しなどアシスタント的な作業をこなしながら、「浴室のこのカビにはこれが効く」や、「トイレのタンク内部を効率的に清掃する方法」など、実際に先輩が手を動かしながら教えてくれるのですごくわかりやすかったです。
今では一人で各お宅に伺うこともありますが、この業界に入ってよかったことは「家庭でも使えるスキルが身に付く事」
実家に帰省した際に、家族ができない箇所を清掃したりささやかな親孝行ができたりするので、ハウスクリーニングは社会的にも必要な職種であると自信を持って言えます。
ハウスクリーニングの業界は思いのほか覚える事が多く最初は苦労しそうですが給与も他業種と比べ比較的高水準で、それがまたやりがいにつながると言えそうです。
筆者自身も大学生時代にお世話になって方のところでこの業界を経験していますが、日々様々なことをするので毎日が新鮮だったのを覚えています。どんな依頼や現場に対しても、目的は新品にふさわしい、または同様の状態にしてお客様や依頼主に引き渡すこと。これだけを肝に銘じて業務を行なえば確実に成長をしていきます。
やはり綺麗好きな方や細かい作業が好きな方に向いていると言えそうです。実際に筆者は現場中心のところで働いていましたが、最初はヤンキーや怖い人が多い職場というイメージを持っていました。たしかに見た目が悪そうな感じの人もいましたが、実際はそのようなことはなく他の業者ともくだらない話で盛り上がりながら和気あいあいと仕事をしていたので、内部や外部の人間関係に悩んだこともありませんでした。
現場監督を筆頭に一つのチームとして協力しながら作業を進めるので社会性なども身に付くと思います。
個人宅では、依頼された内容をこなした時に感謝をされてお金を頂くことが多くやっていてよかったと思うことも。特に当時の筆者は若かったので、老人夫妻のお宅なんかにいったときは食べ物をもらったり何かと可愛がられることが多かったのも印象に残っています。
実際、同業者の中にも同様の意見が数多くありました。強いやりがいと専門的な知識を身に着けられるハウスクリーニングはアルバイトにおすすめできると言えるでしょう。