全国各地に存在する家電量販店(電気屋)ではアルバイトの募集を行っているところが多く、実際に勤めると電気製品やPCに関する知識を学べますが、そもそも電気屋ではどんなお仕事をするのでしょうか?今回はそんな電気屋アルバイトを検討している方へ向けて、バイト歴3年のY氏への取材を元に解説いたします。
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家電量販店って製品を見ているとすかさず店員さんが近づいてきてどんな質問にも的確に答えてくれる正に家電のプロというイメージがありませんか?あれを自分がするなら何だか気が引けるな・・・と思ってしまう方もいるかもしれませんね。
ただ、アルバイト入社をして早々にあのような業務を単独では行いません。電化製品に関して説明をしているスタッフの多くは営業社員や歴戦のベテランであることが大半で、未経験のうちは研修を受けて社員の補助的な役割で現場に出ます。
また、お店に行くと専門知識を持っている人が多いので正社員の方が多そうな印象を受けますが、実際は家電量販店って、正社員よりもアルバイトの方が多く在籍しているお店が大半なのです。
未経験から入社をする場合、店舗によっては簡単な作業から経験を積むごとに順を追って次のステップに上がることが多く、研修制度もしっかりしている業界です。
徐々に知識を溜めて難しい業務に挑戦していくか、今の業務に磨きをかけるのかを選択できたりもするので、やりがいも多く未経験でも安心して取り組める仕組みがしっかりしているのです。
稼げる度 | 都心部相場 | 地方相場 |
---|---|---|
★★★★ | 約1000~1300円 | 約900~1200円 |
時給は他業種に比べると高めです。経験を積むと単純作業だけではなく、OA機器などの知識を身につけ接客やサポート業務を行うなど、専門知識を必要とする業務が豊富に用意されているため仕事の幅も広いと言えますよ。
段階的に業務の幅が広がるお仕事なので時給アップなども狙いやすく、向上心があって長く勤めたい方にはおすすめの業種と言えるでしょう。
★★~★★★
担当する業務によって忙しさの幅は変わります。ただし、飲食業界などを経験している方にとって家電量販店の仕事内容は、楽に感じるという意見もあります。
ちなみに、一番の繁忙期は年末年始です。このような日は自社の従業員だけではまかないきれないこともあり、派遣スタッフを雇うところも多いです。
基本的には6~8時間ほどの長時間勤務が出来る方が好まれるでしょう。短時間で働きたい方はインターネット求人サイトなどの求人応募欄に記載されている勤務時間の項目に注目してみてください。案件の中には3時間からと言った出勤も可能のようです。
また、家電量販店が忙しくなるのは基本的に世間が休日である土日祝日です。そうした日に多く出勤できる方は重宝される存在となります。
前述のように簡単なものから難しい知識を必要とするお仕事へ段階的にレベルアップしていくことが多いこの業界では、実際の業務はどのようなことを行うのか!?
以下は入社してすぐに行うお仕事の内容です。もちろん店舗によって順序が違ったり、担当場所以外の事は教わらない職場もあります。今回は実際に家電量販店に5年のアルバイト経験があるY氏の実例を基に紹介しましょう。
お客様のお会計を担当します。初級編でありながら、レジ操作は意外と難しいです。商品に付属しているバーコードや社員の作った伝票を基に金額を入力して金銭のやり取りを行うのですが、電気屋の精算は数万円と言った高額な金額であることが多いため慎重に行いたいところ。また高額な商品を販売する分、クレジットカードでの精算がよくあるのでクレジットカードを出された時の精算方法を、最初の研修や社員が同伴しているときにしっかりと確認をしておくと良いでしょう。
レジに来たお客様に対して自社の会員カードやポイントカードを作るように勧誘を行います。名前だけで登録が済むところもあれば、住所や電話番号などをしっかり記載してもらうところなど形式は様々ですが、記載してもらった個人情報はパソコンの専用データに入力をして保存します。
電化製品はエアコンや洗濯機など大型のものが多く、店頭に商品を大量に並べることができません。そのため電気屋の店舗では、お店の裏などに大きな倉庫を完備しています。商品が売れたら現場スタッフの指示により、同じ型番の製品を倉庫から運び出し店頭に置きます。家電量販店はこの品出しによる製品の持ち運びをする頻度が高く、入社早々真っ先に行うであろう業務となります。
小売店であればどの業界にも当てはまることですが、店内で陳列が乱れている部分などを見回りの際に直します。
お客様が購入された電化製品を車まで運ぶ作業のこと。傷を付けないように重い物であれば複数人で持ち上げ台車に乗せます。3階建てなどの店舗では一般的に製品の運び出し専用エレベーターがあるのでそちらから運びお客様のお車の前まで届けます。
お客様に商品説明を行うスタッフの補助業務です。商品のパンフレットを届けたり、お客様の要望やニーズだけ先に聞き出し担当社員をお客様につけるなど。ここで現場社員の説明などをよく聞いて徐々に一人立ちしていきます。
新しい業務を学ぶタイミングというのは職場の環境によって人それぞれですがY氏の場合は、入社をしてから1年が経過すると徐々に新しい業務を店長から任されたようです。
パソコンやエアコンなど特定の部門の商品知識を学び、お客様へ製品の案内をする業務です。パソコンではスペックやセキュリティソフトなどの付加サービスの説明をしたり、エアコンであれば機能の紹介や取り付け工事に関する説明など、正に専門性のある情報をお客様に提供するハイレベルな業務と言えます。
経験が浅いうちはお客様の質問で分からないことも出てきますが、その際は正社員に聞きにいくか説明を代わってもらうことができます。ちなみに正社員でもわからない難解な質問もたまにあるようで、そういう場合には本部のサポート課やメーカーに直接電話をして確認をして回答するそうです。
Y氏の勤め先ではアルバイトでも、商品案内ために会社が企画する商品研修に参加をして勉強をするそうです。また、反対に接客が苦手な従業員もいるので希望があれば歴の長い人であってもこの業務は避けることができたようですね。
この商品説明によって、お客様が買うか買わないかの判断を下すことにもなるので、会社の売上にも関わる重要な仕事と言えますが、会社の利益に直接的に関われるという点でやりがいは感じられることでしょう。なによりY氏はこの接客での案内が評価され時給アップをしています。ちなみに家電量販店特有の値切り交渉は正社員のみが行えて、お客様から値切りの話があったときは社員とそこでバトンタッチをしていたとのこと!
多くの家電量販店では製品の修理窓口があります。サポート業務の担当では、お客様のOA機器やパソコンなどの異常や故障を窓口で聞き出し記録を残します。
保障期間の過ぎた製品などの修理依頼を受ける窓口ですが、その際に聞いた内容からどれくらいの費用が掛かるのかなどを記載した見積書を作成してお客様に金額の確認してもらう作業も店舗によってアルバイトが行うことがあります。
金額は基本的に料金表をもとにはじきだします。まれに、プランにないような修理や工事の見積もりを作成することもありますが、料金は正社員が決めたものを伝票やエクセル上のデータに書き出すので、データに残したり書類を用意することが求められます。
会社から支給されるシャツを着用します。Y氏のお店では、社員とアルバイトでデザインが若干違うシャツを着て、ズボンは自前のジーンズやチノパンと言った格好です。また、金髪などの明るすぎる髪染めや派手なパーマはNGですが、茶髪ぐらいであればOKとのことでその判断は社員がしています。身だしなみに関しては店舗により様々となります。
ノルマの厳しいところでは、目標数字に足りないスタッフは上司の叱責や怒号に耐えながらお客様にひたすら商品を買ってもらう為に案内を続ける・・・
家電販売業務の口コミや評判で、こんな話を聞いたことはありませんか?アルバイトで入社してこんなプレッシャーを浴びながら仕事をするのは嫌ですよね・・・。でも、安心してください。大半の店舗で「ノルマ」というのは社員に限った話です。
そのため、アルバイトであればノルマを気にせず伸び伸びとお客様に案内ができるので、本当にニーズに合った商品を迷うことなくおすすめできますよ。
それでも・・・もしかすると、全国にある店舗の中には極少数のアルバイトにもノルマを課しているところがあるかもしれませんね。そうしたところを探すコツは面接時に単刀直入に聞いてみるか、募集欄に「売上目標」や「営業目標」と言ったワードがあれば、それはノルマを意味しているかもしれません。
ちなみに筆者はこの問題が気になり、Y氏への取材もとより過去に無作為で選んだ10店舗に電話による質問をしたのですが、「アルバイトでもノルマがある」というお店の回答は1店舗もなかったので、あまり深く気にする必要もない気もします。
電化製品は生活を豊かにする便利なツールです。そうした製品の数々を扱うことにより様々な知識を業務の中で吸収することができます。特に長く勤めると現代では必須とも言えるパソコンに関する知識も身につき、あなたの周りにもいるであろうパソコン選びに悩む人や操作性に疑問を持つ人に的確なアドバイスを伝えることができて感謝されることもあるでしょうね。こうした知識は将来性という点でも役立つものですよ。
品出しやポーターなど、上述のように意外とお店では動き回ることが多いのがこのお仕事の特徴でもあります。そのため、適度に動けるので立ちっぱなしや座りっぱなしではなく仕事で体力面での健康を維持できる場合も!?この適度にというのが重要で、これもメリットの一つに入ると思います。よくよく考えると家電量販店の店員さんって、健康的な体型の人が多くないでしょうか??
店頭に出ていると、多くのお客様から話しかけられます。慣れてくると職場では会話をされることが当たり前に感じるので、コミュニケーションが苦手な方でも自然と説明や案内が上手になりますよ。
家電は高額商品が多く、トラブルが起きると厄介な問題に発展することも。時にはお店側に一切の非がないクレーム対応をすることも出てくるでしょう。Y氏の事例で言えば、過去に購入されたパソコンが故障し修理をするためにお客様が持ってきた際、修理費の見積もりを提出するとお客様はカンカンに・・・。どうやらお客様は保障期間の認識違いで、無料で修理をしてくれるものだったと思っていたらしく、お金を請求されたことに腹が立った!と言ったなんとも対応のしづらい案件などもあったようです。
継続的な勉強と接客スキルを必要とするためアルバイトの中でも難しい部類に入ると言えそうですが、何よりそれに見合った時給であることが魅力です。
それに加え、学ぶことも細かい部分では生活にも役立つ知識になるのでおすすめの職種とも言えそうですね。
ちなみに現在では人件費や固定費が安く済むネット通販の台頭により、家電量販店の数は年々減りつつあるようですが、まだまだ需要のある仕事であることは間違いありません。
ネット通販は便利な反面、パソコンを普段利用しない人や高齢者世代にとっては使いづらさもあり、そうした方々は家電量販店に足を運んでプロに細かい部分を含めた相談をして購入をすることが多いのです。
そんなお客様達のご案内や商品説明によってあなた自身の将来必ず生かせるであろう対人スキルも徐々に身についてきます。
大変なことももちろんありますが、そうした魅力も目立つ仕事になるので、気になる方は是非挑戦してみてはいかがでしょうか?