依頼された内容を黙々とパソコンに打ち込みするデータ入力作業の仕事は、人間関係を気にしないで業務をおこなえることから人気の求人ですが、実際はどのような仕事内容や種類があるのでしょうか。
また、在宅やオフィスに勤める形態の具体的な違いや多岐にわたる内容など意外にもデータ入力作業は奥が深く、今回はそんなデータ入力アルバイトに迫ります。
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データ入力作業は依頼者によって様々な内容があります。代表的なのは、紙媒体に記載されたものをデータに写す作業となります。世の中には、IT化が進んだとはいえまだまだ紙で記録しているものって多いですよね。
作文や会社の資料をデータ化など。企業によっては日々の業務が忙しく、書類の整理やデータ化などの単純作業を行なえずどんどん溜まってしまうことがあります。そうした企業に代行してデータ入力を行うのです。
一般的には下記のような要件を専用のソフトやエクセル・ワードに、文字入力や数字を打ち込んでデータに変換する作業となります。
企業の調べたデータを指定のファーマットに入力していきます。イメージとしてはバラバラに集まったデータを一つの表に埋め込み完成させることで、データ入力の作業の中には案件によって、ただ文字を永遠と打ち込むだけの作業ではないこともあります。
ボイスレコーダーなどに収められた音声をテキストに書き写す作業です。特に会議の議事録などの作成はボリュームのある内容であることが多く、音声を文字にしてみると数万字に達していた!?なんてことも。
ワードで作られたデータをエクセルの表に打ち込んでいくなど別の形式に変換させる作業です。例えば、エクセル表に参考資料であるワードファイルに記載されている数字を打ち込みエクセルでグラフを完成させたりします。
その為、ただの書き写しの案件もあれば、もう一捻り加えた作業を必要とするものもあったりと、データ入力と一言で言っても求人の中には様々な案件があるのです。
また、注意点としてはこうしたデータの数々は企業内秘密を扱うことであり著作権も依頼主に帰属しています。
業務で知りえた情報を外部に漏らしたり、ウイルスなどを原因として流失させてしまった場合は、訴訟に発展することもあるため細心の注意を払う必要があります。
求人の中には単に入力をするだけではなく、業務の中にデータ入力が含まれるという意味での仕事もあります。
銀行やコールセンターに勤める場合などでは、受信電話の対応をしながら顧客の個人情報やサービス内容などを打ち込みします。
求人募集欄には基本的にこの手の作業をする案件は「受信とデータ入力のアルバイト」、もしくは「電話オペレーター」などと表記されることが多いのですが、まれにデータ入力と表記されながら詳細に電話対応による情報の打ち込み作業などと記されていることがあります。
商品サービスの申込書や契約書類を扱う仕事などによく見られる形です。他者に依頼できるほどデータ入力の作業量がありながら「守秘義務が重要となる書類」という関係上、派遣スタッフなどの外部の人間に任せず自社でアルバイト採用をしてデータ入力業務を行います。
いわゆる事務スタッフと同義に近いものです。その会社によってひたすらデータの整理や入力を行うこともあれば、電話対応、来客者へのお茶だしなどの本当の事務作業をこなす場合もあるので、事前にどのような作業比率になるのか確認をすると良いかもしれません。
データ入力では働き方にも選択肢があり、それぞれの生活スタイルに応じて行える仕事であることも魅力の一つです。主にオフィス通い派遣アルバイト、在宅ワーク、クラウドソージングの3タイプがありますが、それぞれの特徴やメリットなどを見てみましょう。
募集の中には主に派遣スタッフとして短期間の勤務をする形態が多いですが、アルバイトで常時データ入力作業を行う職場も少数ですがあります。
勤務するタイプのデータ入力作業は採用前後に試験を受ける場合が多く、1分当たりの文字数(タイピング速度)や誤字脱字の割合を調べられます。
未経験歓迎の案件であれば、時給が安くなる傾向があり速度はそこまで求められることはありませんが、ミスが目立つようだと上司からの厳しい指摘が飛ぶ可能性もあるため特に集中をして行う必要があります。
ちなみに口コミの中では、「ミスが多いため解雇をされた」などの意見をたまに目にすることがありますが、労働基準法では仕事上のミスは解雇理由として認められていないため解雇の拒否を主張することができます。
≪オフィス勤務の特徴≫
アルバイト求人サイトに掲載されている【在宅可能案件】に応募し仕事を始めます。自宅にいながら気軽に行えることもあり、家を空ける事のできない主婦層に人気です。
未経験からでも行える案件もありますが給与は在宅の場合、出来高制であることが大半でありノルマもあります。
在宅の案件では単純に書き写しの入力作業であれば1文字0.3~0.4円あたりが相場です。10000文字打ち込んで大体3500円前後といった具合で単純作業であれば、タイピングが早いほど有利に仕事を進めることができます。
他には入力の手間ある程度かかるものや元データを少しアレンジして入力をする案件などはこれよりも単価が上がる傾向にあります。家にいながら気兼ねなく行なえる業務ではありますが、納期が時に厳しいこともあるので思わぬ忙しさに見舞われることもあります。
在宅ワークの種類には上述の求人サイトを利用して仕事する「雇用タイプ」と、自分で企業に営業をかけて仕事をもらったり、後述しているクラウドソージングへ登録し仕事を直接受注する「自営タイプ」に分かれます。
≪在宅ワークの特徴≫
在宅ワークの中で、現在主流になりつつあるビジネスモデルでありこれは派遣会社や通さず、企業に雇用されて働くわけでもない、依頼主とあなたが直接業務の契約をできる方法です。
依頼主と業務契約を行った場合、サイト運営をしている会社に成果報酬を引かれますが、派遣会社に登録をしている時に実質引かれている仲介手数料よりも安く済むことが多いようです。
クラウドソージングの魅力は、仕事自体を選べる立場にあり作業内容も明確であることです。
企業や個人事業者が公開オファーを出す際には作業内容や報酬額などを表示することが義務付けられているので、賃金も含めて業務にあたって見てイメージと違ったという事態は避けられるでしょう。
また、様々な企業や個人事業主から出されるオファーの中には相場を超えた高額なオファーから、完全未経験でも問題なくこなせる簡単な仕事まで幅広いオファーが出ているため、自分のスキルやレベルにあった内容の仕事を探しやすいです。
オファーの中には個人ブロガーによる、記事のリライト(基の記事を書き直す作業)や、ツイッター投稿用のツイート文作成など変わり種オファーが出ていることも多々あります。
実際に仕事を行いたい場合は、出されているオファーに対し応募をします。実績や年齢、納期が出来る日程などの情報を依頼主側に送り、依頼主は応募者の中なら働き手を選びます。
ここで採用の通知が届いた際は、その後クライアントと細かい部分のすり合わせを行い正式に採用され業務にあたることになります。
ちなみに高額案件や楽そうな案件などは申込み者が殺到することもあり、就職活動のように倍率が高くなることも頭に入れておきましょう。
また、仕事自体は主に単発案件が中心となりますが、オファーを出しているクライアントから実績や納品速度が評価されると、長期間の案件や報酬を上げたオファーがもらえることもあります。利用に際してはクラウドソージングを提供するサイトに登録が必要となります。
≪クラウドソージングの特徴≫
データ入力は向き不向きがはっきりしているお仕事と言えます。ただ、続けるほどに要領やコツをどことなく掴んでいきタイピング速度も自然に上がっていくので作業自体は悩むことなく続けられるはずです。
新しいことを常に覚えていくよりも、目の前に出された仕事をただ黙々とこなす作業が好きな人にとってはおすすめできます。単純作業と言えば他に工場ライン業が思い浮かびますが、工場は動き回るなど体力を使うことがあるのに対してこちらは手先を動かすだけです。座って作業できることも人によってはメリットと言えるでしょう。
データを入力する作業にあたっては、入力された内容が正しくなければ意味がありません。入力後に誤字脱字の多いデータを納品してしまうとクレームに発展することもあるため、完成後は一度原稿を見直す必要があります。
ちなみに膨大な文字や数字を扱うデータ作業では確認の作業にも多くの時間を要すことがあります。またその膨大な数ゆえ確認をしても見落としが出てしまうことはよくあることだったりするのです。
実はこうしたミスの度合いを計る指標として「精度」というものが存在します。例えば1000件の個人情報とアンケートが書かれた用紙をデータ化する作業を受け持ったとしましょう。
人間が行う作業にミスはつきものですから、納品した後で1000件のうち10のデータに間違いがあったとします。そうするとこの仕事に対する「精度」は99.0%と言うことになります。
そして、この精度を依頼主側が求めることを「要求精度」と言います。特に在宅ワークやクラウドソージングでは、相手の顔を見ることなく仕事依頼を掛けることになるので、要求精度を設定している場合が多く、引き受け側は要求精度以上の結果で納品することを求められます。
ちなみに要求精度は一般的に99.0~99.9%で求められます。納品したデータが要求精度以下の精度だったために賃金が支払われないなどのことはありませんが、先々に仕事をもらえなくなったり、クラウドソージングでは、依頼主が応募された人の中で誰に依頼をするかを決める重要な要素である「評価」を落とされてしまうことになり後々を考えると良いことはありません。
ここで、在宅や勤務での一日の流れや仕事を引き受けてから納品までの流れを見てみましょう
・出社
↓
・データ受け取り
↓
・入力作業
↓
・確認作業
↓
・提出
↓
・退社
上述した通り、様々な内容の仕事がありますがタイピング速度や経歴によって仕事の割振りがされます。
勤務によるデータ入力は複数人で作業をすることが多いので、入力作業はAさんが、出来上がったら確認作業を社員が行うなど役割分担がされている場合もあり、データの元になるファイルや名刺・申込用紙など個人情報が記載されているものも会社で管理ができるため紛失や流失などのリスクが減ります。
職場の中には、入力作業時にイヤホンで音楽を聞きながら作業ができる職場などもありやることをしっかりやれば後は比較的自由という職場もあれば、上司の厳しい叱責や監視にプレッシャーを感じる職場など様々です。
求人応募を行い採用された場合、データ入力業務であれば依頼側と簡単な電話でのやり取りを行いその後、メールや郵送にてデータ化したい情報やリストなどが送られてきます。
ちなみに、在宅案件の中には面接不要など、依頼側と顔を合わせることなく仕事ができる場合もあるため申込みから採用までの流れは求人サイトにて確認してみてください。
・納期が設定されたデータ化の基情報が送られてくる
↓
・期間内であれば好きな時間に行ない仕上げる
↓
・誤字脱字の最終チェックを行う
↓
・完成品をファイル化してメールもしくは、基データと一緒にUSBなどに保存し送る
↓
・届いたデータ業者が検品し確認次第、賃金の振込を行なう
作業中も細かい部分で電話のやりとりを行うことがあります。また、届いた基データやあなたが作り上げて送ったデータはクライアント側が権利を有するので、問題なく給与が振り込まれた場合にこちらに残るデータは削除をするなり手元に一切の情報を残さないようにします。
クラウドソージングで初めてデータ入力業務を行なう場合は、クラウドソージングサイトに登録をする必要があります。今では複数のこうしたサイトがある状況ですが仕事を始めるまでの大まかな流れは以下となります。
・クラウドソージングサイトに登録(メールアドレスが必要)
↓
・公開オファーの中から気になる案件に応募をする
↓
・業務契約に繋がった場合は簡単打ち合わせを行う
↓
・報酬の一部が仮払いで支払われる
↓
・基データをもらい作業に取り掛かる
↓
・最終チェックを行い、クライアントに納品する
↓
・残り報酬が口座に振り込まれる
基本的な仕事の流れは他と同じですが、クラウドソージングの場合には給与の未払いを防ぐためにサイトによって、一部の報酬を先に支払うことが多いです。
いわゆる着手金に近い意味合いですが、これを確認したのち作業に入ります。また、オファーの段階で不明点などがある場合はクライアントにメッセージを送ることもできるので、応募の前も後も細かなやり取りを続けながら作業するとスムーズに事が運ぶでしょう。
余談ですが、クラウドソージングの案件は在宅ワークと比べると報酬が高額である場合が多いです。そのため、案件によってはライバルも多くクラウドソージングでは、実績のない0からスタートする方にとっては依頼主から仕事採用がされづらく、なかなか仕事が受けられないかもしれないというデメリットもあります。
上記を総括すると目的別おすすめの働き方は以下になります。
データ入力業務は、現在のような情報社会ではニーズがとても高いお仕事になります。仕事をこなしているうちにタイピング速度やデータの処理能力が上がることが望め、今後なくなる心配がある仕事でもないので身に付けたスキルは継続的に役立ちます。
仮に転職を考えたとしても事務員など、他業種でも活かせるスキルであることからもやる価値は大いにあると言えますね。ここまでくると後はどういった形式で仕事に望むかであると思いますので、ご自身の生活スタイルに合った無理ないデータ入力ライフを楽しみましょう!